私の知っている海
年末に家族旅行に行った。白浜という名の通り、真っ白な砂がまぶしく、冬でもビーチの風情を感じさせた。
漫画とかドラマで海の近くの街が舞台になっているものがあるが、私は一度も海に近い場所に住んだことがない。放課後、友人とふらりと海に立ち寄って語り合うというシチュエーションは私には遠く、実感のないものだ。いいなあ、青春って感じだよなあ。夕日に向かって走ったり叫んだりしたかった・・・。一応、父方の祖父母の家は海に近かったのだが、長期休みの間に滞在する程度ではなかなか青春シチュエーションは生まれない。ついでに、あんまり一般的な海という感じではなかった。
演歌で歌われるような海の風情
祖父母の家から歩いて15分程度、墓地を近くに有するその海はオホーツク海。白浜のような明るさはなく、どこか海も砂も薄暗い雰囲気がある海だ。北海道自体、かつては30度になることが珍しい気候で、オホーツク海側は特に寒く、夏でもあまり気温が上がらなかった。今はどうかわからないが、夕方は長袖を着ないと肌寒かった。
アルバムを見ると、海で遊んでいる写真はあるのだが、周りに人はまばらで、海水浴にくる地元の人がほぼいないことがわかる。ついでに、夏でも唇が紫色になったくらいに水温は低いので、キャッキャとはしゃぐというより、滝行の気分である。徳が積めそう。
北の海は演歌で取り上げられるけど、確かにそういう物悲しさというか厳しさを感じさせる風情がある。悲しい辛い気持ちを海と一緒に味わい尽くすことができそうで、これはこれで良いのだが、海水浴のような明るさはない。
冬になると流氷が接岸する。一度だけ乗ったことがあるが、非常に危険な行為なので絶対やってはいけないそうだ(戒め)。流氷に乗れるのはアザラシとオオワシ、オジロワシだけだぞ!