いたいけな少女への殺意が高すぎるゲーム「ENDER LILIES」
PSPlusのフリプの良さ、だがしかし
8月いっぱいで、長らく加入していたPSPlusの更新を止めた。セールの時に年単位でまとめて利用権を購入していたものが切れたのだ。私はほぼオンライン要素のないゲームをしているので、困ることはそんなにないが、フリプでダウンロードできるゲームができなくなるのが悩ましかった。何だかんだフリプはそれなりにやっていて、8月のフリプだった「ENDER LILIES」もその一つだった。利用権が失われるというタイムリミットがある中、どうにかひとつのエンドまでは辿り着けたので、その感想をまとめつつ、PSPlusの制度に思うことがあるので、それも併せて記録していく。
大抵のゲームでは戦闘要員にもならない少女が走って跳んで、回避する
ENDER LILIESは、静謐な音楽と世界観が美しいゲームだった。アクション自体はなかなか歯ごたえがあり、敵の殺意も高い。主人公は儚さを体現したような少女リリィで、魂となった騎士たちや無念の死を迎えた人々の力を借りて、攻略を進めていく。
こういったゲームの場合、少女は戦わず、戦闘外で回復を担ったりすることが多いが、リリィは前面に出て身体を張る(せめて防具くらいは身に着けてくれ)。戦闘こそ騎士たちの力を借りているが、回避や跳躍、泳ぎは自ら行うのだ。そしてそんな虫も殺せなさそうな少女に対して全力で殺しにくる敵の無慈悲さ・・・。慈悲なんて概念はとっくに消え去ってしまったのだな、とこの世界の知らない人たちに想いを馳せるくらい、攻撃は容赦ない。
考察がはかどるストーリー
この世界がどうしてこのようになってしまったのか、どんな世界だったのかというのははっきり説明されることはなく、攻略の途中で拾う手記やボスとの邂逅で判明する彼らの記憶から推測する形になる。これは好みが分かれるところだが、このゲームには合っているなあと思った。最後に世界が元に戻ってみんな笑顔、みたいな幸福な救いはないだろうと感じながら様々なステージを進める。フロムの名作Bloodborneと似ているなあと思うところもあり(独特のグロさ、進めるほどに伝わる絶望)、どちらも考察が楽しいゲームなので、その点も楽しめた。
アイテムを回収しながらも時間に追われるひよこ
と、ゲームの世界に浸りつつも、当月中にクリアしなくてはならないという制限があったので、テキストをじっくり読む暇もなく攻略を進める形になった。社会人かつ育児もするひよこは、子供の急な嘔吐、通院、腹痛による夜中のぐずりなど、ゲーム外でのピンチに対応する羽目になった。ゲームが自由にできる夜には体力が失われていることもしばしばで、真エンドに至る道までたどり着いたものの、攻略する時間もなくそこでタイムアップになってしまった。月払いでPSPlusに加入することも考えたのだが、なぜか年払いから月払いに変更できず、いったん年払いを止めてから月払いで再加入しなくてはいけないことがわかり、何だか面倒になってしまった。
お金にとりつかれちゃったよぅ!
PSPlusの利用権が値上がりしたのは知っていたし、更新しないと遊べなくなるよ!という通知があることはむしろ親切ともいえる。でも、最近加入者向けの利用権セールをしなくなった。セールをしても、それは未加入者が対象だったり、現在のプランからアップグレードしたら25%オフ、のような、明らかにエッセンシャルでいてくれるなよという圧があるものが多かった。ソフトのセールがあるのは有り難いけど、そんなに欲しいラインナップもなくて、そこはメリットを感じられなかった。
フリプで元を取れている面もあるけど、それ以上にお金への圧が露骨で、ソニーともあろうものがそんな拝金主義のような姿勢を見せてくれるなよという気持ちになった。利益失くして企業が存続しないのはわかっているけど・・・払うなら気持ちよく払えるようにしてくれよ、とひよこは思うのであった。そのうちエッセンシャルすらなくなってしまいそうな勢いだし、金払いの悪いユーザーは切り捨てようとしているのかもしれない。PS5Proの価格が話題だが、金のないやつはお断り!という空気が強くなっている気がする。
利用権セールが来るまで、再び眠っておくれ
というわけで、利用権セールが来るまでリリィは眠りにつくことになった。また加入したらちゃんと真エンディング目指すから許してくれ。ゲーム自体は大体20時間くらいで一つのエンドに到達できたので、ボリュームはちょうどよかった。続編も出るようだし、こういうゲームをたまにやるのは楽しいな、と思わせてくれた素敵なゲームだった。ちなみに、もうひとつのフリプタイトルだった、レゴのスターウォーズは全くできなかったよ、すまぬ・・・。