新しく読み聞かせ用の本を買った。読み聞かせ用の本は寝室に、他の本はリビングに置いているのだが、リビングに置いた本は扉付の棚に入っていて目に入らないせいか、全然読まない。親も熱心に常に読書をしているわけでもないので強く言えず、とりあえず読み聞かせだけは継続しようと考えている。本に没頭しようとすると、家族がいてこまごまやることがある環境ではちょっと読みにくく、結局読まずに過ぎてしまう。べ、別にゲームと動画の方に心惹かれているわけじゃないんだからね!
絵本はあらゆるジャンルを網羅している
子供用の絵本は多様なジャンルがあり、大抵の子供の興味を満たすようになっている。わが子の興味のために、踏切りや妖怪の本をあれこれと探していたが、子供の流行とは短いもので、気が付くと別のものに興味が移り、残されたグッズや本はあっという間に思い出へ・・・。育児あるある。
何だかんだで安定しているジャンルは食べ物をテーマにした本だ。個人的に「ちくわのわーさん」の作者、岡田よしたかさんの本は擬人化の究極体な感じがして好きだ。目鼻がないのに表情豊かだし、動きもユーモラス、そしてお腹がすくようなおいしそうな食べ物たちが素晴らしい。一時期ずっと読み聞かせのレギュラーだったので、もしかしたら暗唱できるかもしれない。
そんな中、個人的に面白かったパンをテーマにした話をまとめておこうと思う。
さまよう食材たちの結末とは・・・「サンドイッチにはさまれたいやつよっといで」
岡田よしたかさんの絵本のひとつ。前作の「おにぎりにはさまれたいやつよっといで」と繋がっているお話で、我が家は両方持っている(おにぎりの絵本の巻末にあるあみだくじを死ぬほどやらされた)。シリーズを読んでると、他の作品のキャラクターが出てくることがあって、それも楽しい。
内容としては、おにぎりの具になることを拒否された具材候補たちが、サンドイッチになるべくパン屋に潜入する話。フルーツサンドができるくだりを見て思ったけど、バナナやイチゴはなぜおにぎりに入ろうとしたんだろう・・・。イギリスで出たライスプディングにはイチゴが入っていたから、もしかしたらイギリス出身の果物なの?お米が甘いスイーツとなり、牛乳とイチゴに包まれているという料理のインパクトは大きく、今でも忘れられない味である。日本にもおはぎとかあるけど、なんか違うんだ。
それはさておき、やっぱり食べ物たちは生き生きしつつも美味しそうで、サンドイッチができていく様子もユーモラスだ。やきそばサンドイッチが特に美味しそう。お好み焼きとお米という組み合わせが理解できない私にとって、焼きそばパンも同類に近いものがあるのだが、何か食べたくなる魅力がある。ただ、やきそばがどうやって個として存在してるのかが気になる。別作のうどんのうーやんは「どんぶりにはいっているうどん」で個だったけど、やきそばは皿がついてなかったんだよなあ。
生まれながらの走り屋「しょうがパンぼうや」
日本でしょうがパンと聞いてもピンとこないが、イギリスでは有名な「ジンジャーブレッド」というお菓子のことらしい。日本でもクリスマスに人型のクッキーが販売されるが、それを指すようだ(ブレッドではないけど)。
そんなパンの話であるが、子供のいないおばあさんが、思い立ってしょうがパンぼうやを作ったところ、オーブンの中から「熱いから開けて!」という声がして、慌てて開けたところ、中からしょうがパンぼうやが登場する。ほう、これがイギリスのアンパンマンか・・・と思いきや「僕はおいしいしょうがパン!捕まえてごらん!」と自身の美味しさをアピールしつつ、挑発的な言葉と共に窓から逃げ出してしまう。おばあさんに挨拶も礼も言わない上に、無鉄砲に走り出す行動力がすごい。
そしてしょうがパンぼうやは、走りつつ、家畜を同じ言葉で挑発しながら逃げる。馬が追いつけないスピードで走り続けるしょうがパン。思った以上の脚力だ。これが神速、いや縮地・・・宗次郎の先祖はパンだった。
最後は狐に言葉巧みに騙され、あっけなく食べられてしまう。知力が足りなかったか・・・だって生まれたばかりのパンだもの。やなせたかし界に生まれていたらヒーローになっていたかもしれない逸材のあっけない最後であった。享年0日。
私が読んだ絵本の挿絵は普通だったけど、ネットで見かけた、おばあさんが伸ばし棒を片手にしょうがパン追いかけてる挿絵は、捕まったら殺される感じがあって良かった。おばあさんの心にあるのは怒りか悲しみか・・・。
パン絵本のスター「パンどろぼう」※2作目までを読んでの感想
これは小児科の待合いで読んだ絵本なので、記憶が若干曖昧だが、さすが人気作、とても面白かった。パンを愛しているのにお金を払わず盗む上に、盗んでおいて文句をいうパンどろぼうも大概なのだが、個人的に「せかいいちおいしいパン屋」を名乗って激マズパンを売り、パンどろぼうを雇用する店主が怖かった。どういう精神構造をしているんだ・・・。
2作目まで読んだのだが、癖のある登場キャラクターたちも根本は善良で、パンが大好きであるという点で団結しているのが良かった。パンどろぼうはなぜ最初からパン屋にならなかったんだろう。他の作品を読んだら彼の過去がわかるのかな・・・。
夏休みの宿題の読書感想文は本当にだるかったけど、今はこうやってまとめようと思うのだから不思議なものだ。本の指定はあったりなかったりしたが、指定がなかった時に読んだ本の記憶はあるので、それもまた残しておこうと思う。